2026年4月19日巻頭言


        「非難の余地のない信仰者」  市川 牧人牧師
「教えに適う信頼すべき言葉をしっかり守る人でなければなりません」(テトスへの手紙1章9節)  
 テトス書1章では、問題を抱えるクレタ教会でどのように教会リーダーを建てればよいのかを新米牧師であるテトスにパウロが送った助言が記されています。そこには、「非難の余地がってはならない」「わがままであってはいけない」「分別がなければいけない」と、耳が痛くなるような文言が羅列しています。そんな中で、テトス書の鍵となるのが「信仰義認」です。信仰義認とは、救いは人間の側の努力や功績によるのではなく神の側の一方的な恵みによってもたらされるという真実です。であるならば、ここで示されている教会リーダーの資質についても見方が変わってきます。ここで語られているのは、教会リーダーになるための”条件”ではありません。もしそうであるならば、人は皆罪人ですから誰も教会リーダーを担うことができなくなります。ここでパウロは、教会リーダーになる者が向かって行く目的地について語っているのです。心から内に宿るキリストに信頼し、自分を変えていただくことを切に祈り求める者が教会リーダーになるべきなのです。そして、周りから見て、不完全ではあっても、確かにキリストによって変えられている、とわかるような者こそ、教会リーダーにふさわしいのです。さらに言えば、信仰者はみな必ずここで描かれている「非難の余地のない信仰者」へと変えられてゆきます。であるならば、信仰を持つすべての人がそれを担うことができるのです。九節で語られる「信頼すべき言葉」は「信仰のロゴス」と訳すことができます。それはほかでもないイエス・キリストの事です。そして、「しっかりと守る」は「固く結びつく」という意味です。私たち信仰者に求められる資質は「キリストにしっかりとくっついている」ということなのです。私たちに求められる「条件」はそれだけです。