2025年9月21日巻頭言


          「神学生を応援しよう」    市川 牧人牧師
あなたがたの益となる豊かな実を望んでいるのです。<フィリピの信徒への手紙>  使徒パウロが初めてヨーロッパ伝道を始めるとき、彼は大きな不安を持っていました。なぜなら、ヨーロッパには知り合いは愚か、キリスト教を知っている人がいるかすらわからなかったからです。ですが、フィリピでパウロを待っていたのは、イエス・キリストの福音を待ち望んでいた人々の熱い信仰でした。パウロはリディアという一人の女性と出会い、この出会いを通してヨーロッパ初の教会を作り上げて行きます。その後フィリピ教会は生涯パウロを精神的にも経済的にも支える重要な教会となってゆきます。しかし、なぜ、フィリピ教会の人々は、見知らぬ外国人パウロをそこまで信頼し、サポートしたのでしょうか。それはパウロが素晴らしい人で、かっこよくて、信頼できる人間であると直感的にわかったからでしょうか。そうではありません。パウロが「神の言葉」を宣べ伝えていたからです。パウロが語るイエス・キリストの福音が聖霊によってフィリピ教会の人々の内に浸透し、彼らを力付け、パウロの伝道を支える思いを与えたのです。わたしたちが神学生を支える理由もここにあります。私の経験上、人間として洗練されていて、人気で、優秀な人というのはあまり神学生にはいません。自分を含めて神学生はみな、どこかに欠けを持っていたり、弱さを持っているような人が多いように感じます。ですが、彼らは、自分の人生を生きるのではなく神の言葉に人生を賭け、それを宣べ伝えようとしているのです。わたしたちが彼らを支え祈るにはあまりある理由です。わたしたちが神の言葉の力を知っているならば、名も知れぬ、欠けある神学生たちを支えてゆきたいと思います。そして、パウロは伝道者を支えるということは、逆に支える側の「益」「豊かな実り」となると語りました。「受けるよりは与える方が幸いである」(使徒20章35節)というイエス様の言葉は真実です。わたしたちは神学生に献金を捧げることで何かを失うのではありません。主に在る幸いを受け取ってゆくのです。神の言葉の宣教に勇気を出して携わり参与してゆきましょう。